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2008年02月の記事一覧
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2008 2月観劇記録 
2008.02.28.Thu / 22:13 
2/01 おおさか・元気・文楽「桂川連理柵」@NHK大阪ホール
2/02 おおさか・元気・文楽「桂川連理柵」@NHK大阪ホール
2/05 坂東玉三郎特別舞踊公演@大阪松竹座
      「連獅子 京鹿子娘二人道成寺 道行から押戻しまで」 
2/09 文楽2月公演@国立小劇場
      3部「義経千本桜/伏見鳥居前の段・道行初音旅・河連法眼館の段 」 
2/11 文楽2月公演@国立小劇場
      1部「冥途の飛脚/淡路町の段・封印切の段・道行相合かご」 
      2部「二人禿  ひばり山姫捨松/中将姫雪責の段
         壺坂観音霊験記/土佐町松原の段・沢市内より山の段」 
2/13 文楽2月公演@国立小劇場
      3部「義経千本桜/道行初音旅・河連法眼館の段 」 
2/15 文楽2月公演@国立小劇場
      3部「義経千本桜/道行初音旅・河連法眼館の段 」 
2/16 歌舞伎座昼の部
      「小野道風青柳硯 車引 積恋雪関扉」
2/19 文楽2月公演@国立小劇場
      3部「義経千本桜/伏見鳥居前の段・道行初音旅・河連法眼館の段 」 
2/20 歌舞伎座夜の部幕見「春興鏡獅子」
2/21 文楽2月公演@国立小劇場
      3部「義経千本桜/道行初音旅・河連法眼館の段 」 
2/24 文楽2月公演@国立小劇場
      2部「二人禿  ひばり山姫捨松/中将姫雪責の段
          壺坂観音霊験記/土佐町松原の段・沢市内より山の段 
      3部「義経千本桜/伏見鳥居前の段・道行初音旅・河連法眼館の段 」 

 2年前、あんなにみたのに我慢できずに大阪初日にかけつけてしまった「京鹿子娘二人道成寺」。やっぱり心うきたつ舞台ですね。押戻しつきというアレンジバージョンが、玉三郎・菊之助・海老蔵が三人揃って、歌舞伎らしく華やかで楽しゅうございました。
 ただ、個人的には、やはり鈴太鼓での玉三郎さんの清姫の覚醒がみたかった・・・あそこ好きなんです(泣)。鬼?蛇体?となってしまった姿より、花子のままの方が狂おしく切なく怖いのはなぜ?

 文楽公演の合間をぬっていった歌舞伎座では、「小野道風青柳硯」が印象的。歌舞伎の懐の広さを感じた一幕でした。妙におもしろかった♪

 今月はいったりきたりというより、文楽にいきっぱなし。今月のマイベストは、

     勘十郎狐 と  嶋大夫さんの火の玉の語り 

 1年前、勘十郎狐に心をわしづかみにされ、「2月は狐!」ときめていた私。1年後、勘十郎狐はさらにパワーアップしてました。9日にみたとき、勘十郎狐と満開の桜に感動し泣いておりました。嬉し泣き。勘十郎さんの人形をいまみられる幸せを心ゆくまで味わいました。

 また、このところ気力ばっちりの嶋大夫さんの語りにも大満足。おおさか・元気・文楽の帯屋前半の楽しすぎる語り、中将姫雪責の魂こもった語り、火の玉みたいな全力の語りがたまりません。「聴く」ということがこんなに楽しいなんて(実は嶋大夫さんをみているけれど:笑)、おもいもしませんでした。文雀さんの中将姫もほんとに素晴らしくて、私の中でちょっとした中将姫ブームがおきてます。
 
 嶋大夫さんが火の玉なら、住大夫さんの語りはきいていると気持ちが落ち着いてくる、大きなうねりではないけれど、じんわり、しんみり響いてくる。壷坂の語りもそうでしたが、帯屋の後半のお半のせつなさが忘れられない。お半の「見納めに今一度顔をよう見せてくださんせ」は切なかったなぁ。簔助さんが遣うお半は、急に大人になってしまった娘の戸惑い、いとしい人と別れるはちきれそうな思いが伝わってきました。
 実のところ、おおさか元気で、桂川の簔助さんのお半がみられるし、嶋大夫さんの帯屋もきけるので、4月公演は遠征見送りにしようかと思っていたけれど、逆に、簔助さんのお半を通してみたくなっていくことにしました。やはりこの方の娘は最高です。道行が勘十郎さんのお半で、これがまたよかったものですから、師匠とどう違うのかもみたくなりました。まんまと罠にはまる自分(苦笑)。
▽続き・・・・・
道行ゆかりの旅 
2008.02.28.Thu / 06:33 
 調子にのって、こんなものを作ってました。→

     真ん中な日々 道行ゆかりの旅

 公演情報のβ版に続いて、ふたつめの別館です。
 どこまで続くか不明な点が多いのですが、のんびり、ゆっくり、旅情報を集めていきたいと思ってます。
しばしさらば 
2008.02.24.Sun / 23:22 
 勘十郎狐に捧げた2月は終わってしまいました。さみしい。
 自分が楽しんだのはもちろん、はじめて文楽をみた人が、「すごい」、「おもしろい」と興奮しているのをみて、これまたうれしゅうございました。途中、難しいなと思った部分もあったでしょうが、劇場にいる時間を楽しいと思わせてくれた素敵な舞台だったのではないでしょうか。
 狐がみせてくれた春の奇跡ですね。
 きっとまた見られるでしょう。しばし、さらば。
中将姫を訪ねて 
2008.02.23.Sat / 23:55 
 昨年3月の玉三郎さん演出・主演の「初瀬/豊寿丸 蓮絲恋慕曼荼羅」をみて、當麻曼荼羅を織った中将姫に会いたくなり、中将姫伝説の地:當麻寺に、昨年5月14日にいきました。今月の文楽公演での中将姫に再びあえたので、いまさらながらですがアップ。この日は、中将姫が極楽浄土に向かう様子を再現する「當麻寺練供養会式」(お練り)が行われる日でした。

 近鉄「当麻寺」におりると、すぐに名物のよもぎ餅「中将餅」、参道をいくと、おなじくよもぎ餅「ひめもち」。やわらかくておいしかった。出店、植木屋さん、特産物をたくさん並べたお店、お祭りといえど、のどかな町の風景。のんびり歩きながら15分ほどで當麻寺へ着く。
 IMG_3181.jpg
 當麻寺には、国宝指定の本堂(曼荼羅堂)・東塔・西塔、重要文化財指定の金堂・講堂はじめ、法華堂・薬師堂・護摩堂・仁王門・鐘楼などが、独自の伽藍配置で立ち並び、塔頭も奥院・中之坊をはじめ11を数える大きなお寺。

 まずは、中将姫に会いに。
 
 池のほとりにで境内の喧騒をよそに静かに祈ってらっしゃいました。

 中将姫は、人皇四十五代聖武天皇の御代、横佩大納言・藤原豊成が観音菩薩に授かった娘といわれている。幼少より才色秀で、中将の位を授かり、四歳の時に白狐から与えられたといわれる『称讃浄土経』を日夜読誦するようになっていた。また、五歳の時に実母と死に別れ、六歳から迎えた継母の辛い仕打ちに苦しむ物語も広く伝えられている。しかし姫はあえて恨むことなく、万民の安らぎを願い続け、『称讃浄土経』を書き写す写経に専念した。そして、千巻の写経を成し遂げた十六歳のある日、西方の二上山に夕日が沈み、その夕日の中に仏の姿をご覧になった。そして夕空一面に極楽浄土の姿を観じられて、その楽土に遊ぶ境地に達しられたのであった。姫は都を離れ二上山の麓を訪れ、当麻寺に入門を願い出た。当時女人禁制であった当麻寺への入山はなかなか許されなかったが、姫は観音菩薩の加護を信じ、一心に読経を続けたところ、不思議にもその功徳によって岩に足跡が付いた(中将姫誓いの石)。姫の尊い誓願が認められ、翌年、入山が許された姫は、中之坊にて髪を剃り落とし、法如という名を授かって正式に尼僧となった。天平宝字七年(七六三)六月十五日のことであった。翌十六日には、毛髪を糸として阿弥陀・観音・勢至の梵字を刺繍し、仏への感謝を表した。そして、あの夕空に見たほとけの姿、安らぎの境地を人々にも伝えたいと願われたのであった。すると、翌十七日の正午、一人の老尼が現れて「蓮の茎を集めよ」と告げた。法如は言葉に従い、父の助けを借りて、大和・河内・近江の三国から蓮の茎を集めた。さらに老尼にしたがって、茎より糸を取り出し、それを井戸で五色に染め上げた。二十二日の黄昏時、今度は若い娘がやってきて、法如をつれて千手堂に入り、五色の糸を用いて織物を始めたのだった。こうして機織りは二十二日の宵から始まり、二十三日の明け方には、一丈五尺もの大曼荼羅が織り上がっていた。これが国宝・綴織当麻曼荼羅である。老尼はこの曼荼羅を前にして詳細に絵解きすると、若い織姫とともに忽然と姿を消した。この老尼こそ阿弥陀如来、織姫は観音菩薩の化身であったという。
当麻曼荼羅のまばゆい光に心を救われた法如は、人々に曼荼羅の教えを説き続けた。ひとりひとりが静かに御仏を想えば、仏の救いを得て皆の心が清らかになり、この世がそのまま浄土となる。この現世浄土の教えを説き続けた法如は、二十九歳の三月十四日、仏菩薩のお迎えを得て、現し身のままで極楽往生されたのであった。  -當麻寺の歴史と文化−


 中将姫誓いの石は境内に。信じるものは救われる。
      IMG_3195.jpg 

 中将姫剃髪堂 本尊十一面観音は中将姫の守り観音「導き観音」
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 中将姫が下ろした髪で刺繍をしたという故事に因んで建立された髪塚も境内に。
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 購入した當麻曼荼羅(カラー版)。1000円なり。 
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  當麻曼荼羅 當麻寺中之坊HP
 曼荼羅堂に実寸のものがあるのですが、これが大きいこと。一丈五尺、4,5メートル四方の大きなものです。これが一夜で織り上がった奇跡。信じることができるようになった、いや信じたいと思うのは中将姫を知ってから。中将姫あってこその曼荼羅であり、浄土への強いあこがれが「中将姫」をうんだのでしょう。今月の文雀さんの中将姫にはその気高さがありました。もちろん玉三郎さんの初瀬にも。

 毎年5月14日に行われる「お練り」は、大衆を浄土信仰に導くためにはじめられ、本堂の曼荼羅堂を西方極楽浄土、仁王門近くにある娑婆堂を人間世界とし、その間に長い掛け橋をかけ、この橋を通って、中将姫が二十五菩薩たちに迎えられて、西方浄土に向かうさまをあらわすもの。いうなれば、動く曼荼羅。昔の人は、いろんな方法で、仏の教えをひろめたのですね。
 はじめ、なんで4時なんて中途半端は時間からはじめるんだろうと思っていたら、約1時間のお練りが終わる頃に、曼荼羅堂の後ろの山々に日が落ちて、さながら西方浄土になるのです。そして、中将姫はいつまでも民衆の心の中で気高く存在していくのでしょう。
 
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中将姫は輿にのって  お稚児さんたちがかわいい

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        天人                   二十五菩薩

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   観音菩薩 行きは蓮台だけ、帰りに蓮台の中将姫の化仏が

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       普賢菩薩                  菩薩の行列

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   西方浄土が夕焼けに照らされる

 ↓お練りの動画です。観音菩薩と勢至観音の流麗な動きをお楽しみください。

 

 中将姫ゆかりの地は他に
◎石光寺 
  寺は別名「染寺(そめでら)」とも呼ばれ、当麻曼荼羅で知られる中将姫ゆかりの「染の井」と「糸掛桜」がある。これは、中将姫が曼荼羅を織るために蓮の茎を集めて糸を採り、それを水に浸したところ五色に染まった、という伝説の場所で、庭にある井戸を「染の井」、傍らの桜の枝を「糸掛け桜」という。
悼む 
2008.02.23.Sat / 17:57 

悼む:文楽人形遣い・吉田文吾さん=1月16日死去・73歳
 ◇豪快、勇壮な荒物遣い−−吉田文吾(よしだ・ぶんご)さん

 「1、2月、リハビリして4月公演から舞台に出たい」

 文吾さんは周囲に話していた。正月、届いた年賀状も本人のしっかりした字が書かれていたのだが……。これから芸の花が開く時期だった。

 文楽正月公演が大阪・国立文楽劇場で開催中だった。「話したいことがある」

 文吾さんから弟子の吉田文司さんに電話があり休館日の1月15日、文司(ぶんし)さんと弟弟子の文哉(ぶんや)さんとが自宅を訪ねた。顔を見るなり文吾さんは、

 「もう、わしあかんわ」

 ボソリと言った。文司さんは、寝ている文吾さんの手をそっと握った。「師匠、握り返してくださいよ」

 文吾さんの手が、ぐっと握り返してきた。食い込むような強い力。「寝たきりでもこれだけの力があるのか」と文司さんは感動した。文楽で勇壮な荒物遣いとして活躍してきた面目躍如である。

 「自分が死んだら(文吾所有の人形の)胴とか手足とか遣(つこ)たらええよ」とも言って、文司さんらを驚かせた。訃報(ふほう)が届いたのはその夜、午前3時ごろ。まるで愛弟子に会うのを待っていたとしか思えない最期だった。

 「勧進帳」の弁慶、「尼が崎」の光秀など、豪快な動きが目に残る。「パワーがあって、動きについてゆくのが必死でした」(文司さん)。ロックで「曽根崎心中」を演じて人気があったが、文楽全体の人気上昇も願ってのこと。「昔はお客が入ってなかってん」というのが口ぐせで、文楽を好きになってもらおうと、地下鉄の駅で知らない人に「サインしましょうか」と話しかけたことも。「せめてあと3年でも思いっきり遣ってほしかった」(文司さん)。文楽ファンすべての思いでもある。【宮辻政夫】

毎日新聞 2008年2月20日 東京朝刊


 文楽は、師匠と弟子の関係が、どうしてこんなに濃密なのでしょう。
 文司さんと文哉さんに、文吾さんゆずりの豪快な人形をみせていただく日を願っております。
2月大歌舞伎@歌舞伎座 
2008.02.23.Sat / 17:23 
 今月は勘十郎狐に捧げたので、歌舞伎座は一部のみ。

 昼の部 2/16観劇

小野道風青柳硯 柳ヶ池蛙飛の場
 昼の部は関扉だけの幕見にしようかとおもっていたが、どうやらこの演目がおもしろいとききつけ、それならと戻りチケットを観劇前日の夜にwebで確保。
 いやー、噂にたがわずおもしろかったこと♪たのしーの♪歌舞伎ブロックアンテナに感謝。
 歌舞伎って、こういうなんてことないお話を、役者の動きでみせることができる演劇なんですね。梅玉さんの公家ぶり、三津五郎さんの体の動き、お二人のからみ、蛙が柳にとびうつるナイスジャンプ。なんとも楽しい、始終にこにこしながらみることができた一幕でした。 
 こういう小作品が見取り狂言にあると楽しい。梅玉さんは朝一にご出演が多いですが、いろんなものを復活してくださってうれしい。朝一はあなどれませんね。

車引
 何度みても楽しいのう。私は、この演目こそ歌舞伎をはじめてみる人に勧めます。歌舞伎らしさがぎゅーーっと詰まって、時間も短くて、なんといっても話らしい話がない(笑)、三つ子のただの喧嘩ですから。歌舞伎は感じるもの、理屈なんてどうでもいいの、これがおもしろいと思うなら大丈夫だと思う。
 車引もいろいろな組み合わせをみたなぁ。今回はオーソドックスだったかも。どこも悪くないが、それぞれの特徴がきちんと表現されていた。ただ、高揚感がいまいちというのが正直なところ。
 私のベストは、3年前の5月、勘太郎くんの梅王と、海老蔵さんの松王の、汁たっぷり、血管きれまくりの喧嘩車引(笑)。前髪の若者の喧嘩だった。おもしれーと目を見開いてみてました。あれはまさに「時分の花」だったんだろうな。若さがうみだせる華。
 おっと忘れてた。華がありました。
 亀蔵さんの金棒引藤内♪衣装のおもしろさ、あの古怪な歌舞伎顔、素敵すぎです。これが歌舞伎、目を奪われるものがたくさんある。
 種太郎くんの杉王丸もいっぱいに体をつかってましたね。来月がんばってね♪ 
 
積恋雪関扉
 吉右衛門さんの関兵衛と黒主がでっかーーーい。常磐津にのった動き、セリフがすばらしい。語るでなく、歌うでなく、なんともいえない心地よいセリフまわしでした。
 福助さんも綺麗だったなぁ。赤姫はもちろんよろしいのですが、墨染が以前拝見したときより、儚げで、でも強さもあって、素敵だった。まさに桜の精霊でした。
 染五郎さんの宗貞は、まずあのこしらえがお似合い。
 三人の手踊りを、はじめて違和感なくみられました(いままではなんか不思議だった)。
 といいつつ、あいかわらず、この芝居の話の内容がわからないままですが、こういう舞踊劇が好き。踊りをみる気持ちよさ、大好きな吉右衛門さんのセリフまわし、三人のニンがぴったりあっていたので絵面が綺麗だったな。

 
 夜の部 2/20幕見

新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子
 染さんに悪いけれど、一番のお楽しみは、胡蝶。鶴松くんとともに大注目の梅丸くんの胡蝶と聞いて、なんとしてもみなくてはと、会社を7時ででてから駆け込み。幕見ひさしぶり。ぎりぎり座れました。
 胡蝶は梅丸胡蝶と錦政胡蝶(錦政丈は男の子?女の子?)
 はじめに、「たかさごやっ」と声がかかり梅丸胡蝶、次に「こうらいやっ」とかかり錦政胡蝶が踊りだす。錦政胡蝶はこうらいやと声がかかったし、お名前から、松本流のお弟子さんでしょうか。
 梅丸くんはくんとつけるのが困るほど、色気のあるお姉さん胡蝶でびっくり。かたや、錦政胡蝶はかわいらしく、姉妹のよう。梅丸くんの踊りがしっかりしているのは、昨年夏の藤間流の踊りの会で知ってましたが、錦政胡蝶ちゃんも、かわいいだけじゃなく、音感がいいのか踊りが大変よろしいこと。いつもみていた胡蝶の踊りより、難度の高い振りもあり、かわいい胡蝶の踊りで息抜きをなんてことはまったくなく、すっかりみとれておりました。幕見でも見られてよかったよー。贔屓目でみちゃうけど、かなり胡蝶LOVEな観客は多かったように思いました。拍手もひときわ大きかったし、獅子が登場してからの再登場で、あらあの胡蝶さんよとまた沸いてたし。
 梅丸くんがまっすぐに歌舞伎の道を進んで、踊りでもみせてくれますよーに。凛々しさから立役向きなのかなと思ってましたが、女形もよろしいかも。加賀見山のお初とかよさそう。部屋子から芸養子にしていただいて、さらなる飛躍を(勝手なお願い)。

 染五郎さんの鏡獅子は、まず弥生が綺麗!あんな綺麗な女形なかなかいない。華やかな振袖と高島田がお似合いでびっくり。そういえば鬼揃の姫も綺麗だったな。
 はじめにひきだされるところは、あんまり元気すぎて、このまま花道をはしりぬけちゃうんじゃないかとおもいましたが、踊りに入ればそんなことはなく、こんなに綺麗だったら、そりゃお殿様も弥生の踊りがみたいだろうと納得。自分も殿の気持ちになって楽しみました。
 先月に続いての獅子の毛振りは、胡蝶とたわむれるところで、左右に毛をふるところが、ぺたっー、ぺたっーとしてて、ちとがっかり。最後の毛振りはぶんぶんと。個人的には、獅子に魅入られてしまった役者の高揚感、おさえきれない気持ちが獅子の毛を通じて放出されるエネルギーが好き。今回は獅子になってしまった染さんでなく、染さん自身がどうよーと廻している感がたっぷりすぎて、違和感をぬぐえないままでした。すみません、辛口です。
▽続き・・・・・
5月文楽公演 配役発表 
2008.02.21.Thu / 05:36 
 びっくりしたのは、おらち@紋寿さん。是非はじけていただきたい。それに、平右衛門も。
 その代わりに、勘十郎さんは三浦之助へ。あやつ、ひよわそうに見えて、実は芯の強いやつなので、そこらへん勘十郎さんがどう遣われるかが楽しみー。でも、時姫は紋寿さんだと思い楽しみにしてたのでちょっと残念。ぶっとびぶりが好きだった。和生さんの時姫もぶっとんでほしいなぁ。
 復活ものである「狐と笛吹き」の配役が気になっていたんですが、床は呂勢さん清治さんがメインということかな。清治さんの手腕に期待したいです。お人形は、和生さん、玉女さん、簔二郎さん、文哉さんのお名前が。すっごく楽しみにしてます。どんなふうにつくられるんでしょうか。
 簔助さんは、予想通りお千代でした。これまた予想どおり勘十郎さんの半兵衛、床は住大夫・錦糸さん、嶋大夫・宗助さんのリレー。最近このパターン多いですよね。

 さて、5月は歌舞伎もいろいろあるし、相生座文楽もあるし、力配分が難しい。
ここが好き 
2008.02.19.Tue / 23:52 
 昨日、業者に保管委託する書類、ダンボール150箱と格闘し、筋肉痛に加え、青あざ、手にすり傷多数(涙)。でもこれで引越し第2工程が終わった、ほっ。なので、今日は定時に会社をでて、いそいそと文楽第3部へ。
 
 好きなのよねー。2月って、なぜか好きなものがかかる月だ。
 おととしは道成寺、去年はお三輪、今年は狐。

 まず、ここが好き、狐忠信の髪型。元結が耳のようで大好き。シケが3本でているのもかわいい。髷が太くて、前髪みたいにみえるのも好き。ちょっとアップ画像をだしてみる。
     
伏見鳥居前の段
 ・義経に一目散にかけよってくる静。
 ・まんざらでもないが表にだせない義経。
 ・坊主といいながら、ふさふさしている弁慶の頭。
 ・先月に続いて縛られた人形を遣う和生さん。
 ・最後にすりすりしちゃったのを、静にみられちゃったかな、連れて行ってくれるかなと、うつむきながらどきどきしている狐忠信。

道行初音旅
 ・「ほぉ〜〜〜っ」とかける清治さんの声。
 ・清治さんに似てきた清志郎さん。
 ・目一杯声を出している呂勢大夫。
 ・羽つきをする前に羽を整える静(でも最近やってくれない・・・左さんよろしく)
 ・「♪雁と燕はどちらがかわいい」のときは、どらちもかわいい。
 ・拍子のよい曲にのって踊る二人に黒御簾からかかる「よー、よー、よー」という声。
 ・「ちりちりぱっと」で飛びのくときの狐忠信の動き。ほんとにぱっとしてる。
 ・ペシンと手を叩かれる狐忠信、おほほと笑う静。
 ・前につきだして踊る狐忠信の足。ほんとすばらしい。
 ・踊りおわって、静の裾をはらうなど、主従の関係に戻るところ。
 ・最後うなづきあって、「では参りましょう」、「ええ」と会話が聞こえそうなところ。

河連法眼館の段
 ・ここでも一目散にかけよる静。
 ・忠信が着ましたと申し上げるツメちゃんの動きがきびきびしてて好き。
 ・本物の佐藤忠信をみるとき、ちょっとまわってみてと指示する静。
 ・鼓で詮議をするときの静のやる気。
 ・佐藤忠信のときの狐が、鼓にあわせて動き出すとき。鼓の音を体全体で聞いているのが好き。あの動きがほんとにすばらしい。親鼓との会話が聞こえてきそう。
 ・箱の中で微妙に動く鼓。
 ・鼓抜けした後の狐のおちゃめな顔。さあ、はじまりますよーといってそう。
 ・詮議の途中で、静に鼓を返すとき、いとおしく鼓に顔をすりすりして、はっと気づいて悲しそうな顔をするところ。
 ・灯篭抜けの前にちょっと灯篭がうごくところ。くるよ、くるよ、バンッ! でたっー!と思うところ。何度見てもかっこいい。間違いなく惚れるね。
 ・鼓をくれるといったとき、全然遠慮しないところ。
 ・宙乗りで勘十郎さんも足をみせないが、ちゃんと源九郎狐の足もでないようにしているところ。
 ・うれしいっす、みなさんどうもありがとうと去っていく狐。
 ・桜の花びらを染め抜いた勘十郎さんの袴。
 ・本物の千本桜もかなわないほどの満開の桜。

 ・勘十郎さんは、狐、道行の凛々しい狐忠信(源太のかしら)、佐藤忠信のとき(検非違使のかしら)、源九郎狐(耳動きの孔明のかしら)、それぞれのかしらを十分に遣いわけている。私はひっくるめて「勘十郎狐」とおよびします。 
新富座こども歌舞伎 
2008.02.18.Mon / 00:46 
 新富座こども歌舞伎の公式ホームページが旗揚げされてました。→公式HP
 お嬢も、お坊も、お尚もかわいい〜♪
 とーってもみたいのに、昨年11月公演も、今年2月の公演も、大阪遠征中で断念。
 でも、次回は、5月のはじめ、3年ごとの鉄砲洲稲荷神社の例大祭らしいので、これはいけそう。楽しみだわ♪
 3年前の例大祭は勘三郎さんの襲名を祝って、歌舞伎座前で御祝い担ぎが行われたので見に行ったけ。歌舞伎座前での神輿、いいもんでした。あれから3年か・・・・。
 歌舞伎座前で奉納歌舞伎ができるようにがんばってねー。
引越しふたつ 
2008.02.17.Sun / 20:09 
 この3月に引越しふたつ。

 ひとつは、一部業務の支店統廃合による、支店内での引越し。数十人が新たに入ることになり、業務端末の増設やらなんやらで、結局、ビル全フロアが工事と引越しの対象。業務を継続させながらの1月半にわたる引越しがはじまった。引越し自体は、専門業者が入るが、その指示書つくりが大変。書庫のあちこちから、いろんな書類がでてくるし(泣)。いまある書類を整理し移動させ、新たに書類を受け入れ配架する。ビル内におさまりきらない書類は、別に専門の業者に保管を委託。まだ、初めの工程なのに疲れてきた。がんばれ、本引越しまで。

 そして、もうひとつは、母の住まいの引越し。実家が古くなって年寄りには住み難いが、建替えてももう誰も住む予定はないし、かといって、生活圏をかえるのは可哀相だったのでどうしようかとおもっていたところ、渡りに船で、ものすごく近所にマンションが建つことになり、姉と共有名義で購入し、母が住むことになった。
 うっ、これでダブルローンよ、まあ地方だし、母一人が住む広さなので、ほどほどのお値段だし、銀行はほいほい貸してくれたし、姉とゆっくり返していきますよ。私も今の生活を大きく変えるのはいやだし(観劇費用をローン費用にあてなさいといわないでね)。実家の跡地は、商売上手な姉がうまく使ってくれると期待。まあまあ駅前なので頼んだ姉ちゃん(笑)。
 引渡しが3月末なので、これから1月半、説明会、内覧会、金銭消費契約、引渡し、引越しと、ほぼ毎週実家に帰らないといけない。姉は土日仕事だし、お金借りる名義人は私なので、いかねばならぬ。いつもは近くにいる姉が母の面倒をみてくれているから、ここは踏ん張らねば。

 そんな3月なのに、唯一土日が空いている週ができたので、京都に玉三郎さん公演の遠征もいく。あんたも好きねぇ〜。予定がなかなかつかめず、後援会にチケット依頼せず、チケット松竹でとったが、まあまあのお席、ほっ。 
 3月歌舞伎座にいく予定がまったくたってないが、国立劇場での種太郎くんの初日はがっつり確保(笑)。うふふ、3月一番の楽しみよ。
 2月は勘十郎狐に捧げるので、歌舞伎座も昼のみ。夜の部の鏡獅子の胡蝶が梅丸くんなので、これだけは幕見でもなんとかいかなければ。オペラグラスでガン見して我慢しよう。会社を7時にでれば大丈夫でしょう。

 結局、いきたいもの、みたいものは我慢しない性格なんだなと、この歳になって自覚する春でございます。そのために、ゆっくりできる最後の週末、惰眠をむさぼっておりました。やっと起き上がりました。疲れてたのね・・・。 
持ち役 
2008.02.14.Thu / 22:47 
 気になっていたことの続き。
 河連法眼館の以前の演出がみたいなぁと、国立劇場のライブラリーを検索していてわかったこと。
 本公演での河連法眼館の狐忠信は、勘十郎さん、初役だったのね。先代の追善(昭和62)で、簔助さんの静と道行を踊ったというお話を本で読んでいたし、内子座での狐、昨年のおおさか元気文楽での狐があんまり素敵なので、すでに本公演でも持ち役となんだと思っていた。
 いままで、狐を持ち役とされていたのは、先月亡くなった文吾さんだったんだな・・・、そうか・・・、みたかったな、文吾さんの狐。

 ここ10年の本公演の記録(河連法眼館)
  平成16(2004)年 4月@国立文楽劇場    狐忠信:文吾 静御前:勘十郎
  平成15(2003)年 9月@国立劇場小劇場   狐忠信:文吾 静御前:紋寿
  平成 9(1997)年 5月@ 国立劇場小劇場   狐忠信:文吾 静御前:簔助
  平成 9(1997)年 4月@ 国立文楽劇場     狐忠信:文吾 静御前:簔助

 それ以前は、文雀さんのお名前も何度かお見受けするけれど、持ち役としては、先代の勘十郎さんだったんだろうなぁ。勘十郎として、ずっとやりたかったお役だったのかしら。
 簔助さんは、来世に人形遣いとして生まれかわるまで、あの生玉の地で、先代の勘十郎さんと「道行初音旅」を遣い、夜はこころゆくまで二人で飲み明かしたいとご自身の本で語っているけれど、そのとき、先代の勘十郎さんはあの裃を身につけられるのかしら。勘十郎さんは、どちらの左を遣われるんだろう。それとも足かしら・・・。生玉の地は、楽しそうですね。
 
2008.02.14.Thu / 00:43 
 道行初音旅をみていて、すごく気になっていたこと。
 勘十郎さんが着ている裃は、お父様の先代の勘十郎さんの裃ではないかしら。
 確か、どこかで、あの裃を着ている先代のお写真をみたことがあるはず。
 この裃ですよね → http://3bayashi.com/kan/tenrankai.htm

 灯篭ぬけは、以前からあったケレンなのかなぁ。
 最後の宙乗りのとき、館をセリで下げるのは前から?
 以前、勘十郎さんのお話をきいたとき(こちら)、演出を変えたいといっていらしたので、それがかなったのかしらと思ったりもして。

 土日の3部が売り切れになってきましたね。歌舞伎系のブログでも大評判。うれしいなぁ。
道行初音旅 
2008.02.13.Wed / 23:31 
 本日、会社帰りに文楽3部へ。
 道行初音旅がすばらしい。

 この前みたときは、ちょっとオテンバさんだった静御前がおしとやかに(笑)。鼓への思いもたっぷりと。
 勘十郎さんの狐忠信がこれまたさらにすばらしい。9日にみたときはやや3人の息があってないところもあったけれど、今日はほんとよかったなぁ。
 お二人の道行は最高だと思う。

 私は、平成16年にNHKで放送された内子座文楽の映像を、ことあるごとにみている。
 勘十郎さんの狐忠信、和生さんの静、清治さん率いる三味線軍団。
 そう、今回とほぼ同じ布陣。これがいいのよー、何度みても飽きない。踊りも、浄瑠璃もすっかり入ってしまっている。
 なので、9日にみたときは、ちょっと脳内記憶とずれるところがあって、うむむと思ったのですが、いやー、今日の狐忠信は脳内記憶をバージョンアップさせるような素敵な踊りでした。
 次回はまたバージョンアップしてくれるかしら。楽しみです♪

 毎日寒いけど、国立劇場内は桜満開なので、ブログ写真を早々に桜にしてみた。
内子座文楽 
2008.02.13.Wed / 22:02 

日 時 平成20年8月23日(土)・24日(日) 内子座HP

午前の部10時開演・午後の部14時開演(開演各30分前)

会 場 内子座 (愛媛県喜多郡内子町)
演 目 卅三間堂棟由来 平太郎住家より木遣音頭の段
     碁太平記白石噺  浅草雷門の段/新吉原揚屋の段

観劇料 松席 7千円/特竹席 6千円/竹席 5千円
梅席 3千円(全席指定・税込)

前売り 平成20年3月4日(火)午前8時30分より一般販売


 いつかはうどんツアーとともに行きたい内子座。
 でも、今年は、相生座文楽もあるし、玉さん公演遠征もあるので、がまん、がまん。といいきかす。
脳内マッサージ 
2008.02.12.Tue / 01:36 
 2月文楽公演のプログラムに、脳科学者の茂木健一郎さんが寄稿している。それがとてもおもしろい。
 茂木さんの古典芸能との出会いは歌舞伎。外国から訪問客にせがまれて歌舞伎座の幕見にいき、すっかり歌舞伎に魅せられたという。猿之助さんの義経千本桜の四の切だったそう。そして、すっかり歌舞伎に魅せられ、足繁く通うようになった。茂木さんはこう書いている。

 もともと、人間の脳の中にある感情のシステムには、大変な振れ幅がある。生きる上で思わぬ危機が訪れる野生状態では、様々な感情を駆使して切り抜ける必要があったためである。しかし、現代文明に守られた生活の中で、私たちはその「」スペクトラム」のごく一部分だけを経験するようになった。
 一方、歌舞伎には、喜び、哀しみ、怒り、絶望、不条理、不安、悲嘆など、人間が本来持っている感情の振れ幅がすべて含まれている。役者とともの感情のアップダウンを経験し、劇場を出る時には、あたかも魂が浄化されたようにも感じる。普段使っていない脳内の感情回路の機能を用いることで、あたかも「マッサージ」を受けたような効果が上がるのである。


 すごくわかります。この感覚。すっきりするんですよ、古典芸能をみると。現代作品はうーんとうなっちゃう。もちろん魂えぐるような素晴らしい作品もあるけれど、苦しくなって身につまされる方が多い。私の場合、古典芸能の方が、世界が遠いので、振れ幅の大きさにすんなり入っていける気がする。

 すっかり歌舞伎に魅せられた茂木さんは、ドイツ人の語学講師と歌舞伎について話す。歌舞伎の素晴らしさを語る茂木さんに、その人は、歌舞伎も素晴らしいが、人形浄瑠璃はある意味もっと大きな可能性を秘めているかもしれないと言ったそうだ。そのドイツ人の真剣に語る姿に心動かされて、茂木さんは文楽を見に行く。

 ドイツ人の言った通りだった。人形という、もともとは無機物に過ぎないものが人間の喜怒哀楽を表す容器となって動き出す。生身の役者が演じていない分、抽象性が高く、かえって人間という存在の中心にある、普段は見えない本質が露わになるように感じられる。


 そして、文楽にも通うようになり、文楽の世界の奥深さに目を啓かれていく。最後にこう書いていらっしゃいます。

 文楽の世界に親しむにつれて、歌舞伎との関係性も見えてきた。・・・多くの演目が、人形浄瑠璃から歌舞伎へと取り入れられている。現代においても、大衆性に最もすぐれているのはおそらく歌舞伎であるが、その芸術性のおおもとは、文楽や能といった古典芸能の中で育まれてきた。
 文楽の最大の魅力の一つは、太夫の語る浄瑠璃であろう、悲嘆にくれる場面では声を振り絞り、おかしい時には豪快に笑う。太夫の声の「ダイナミック・レンジ」に心が動く。
 太夫に語りに表れる人間の肉体性の豊饒。人形遣いが生命を拭き込む人形の動きの繊細さ。聴く者の心にしみ入る三味線の響き。文楽の宇宙を彩る三位一体の芸に接するたび、その芸術の普遍性が確信される。
 世界文化遺産に選ばれた文楽。この上なく日本的な表現に沈潜することで世界への通路が開かれるとは、なんと幸福なことだろう。


 すっごく同意しながら読みました。歌舞伎のおもしろさ、文楽のおもしろさ、今まで漠然に思っていたことが、文章として提示されて驚きました。そうそう、これなのよーと叫びたかった。さすがはクオリアですわ。

 確かに、大衆性では歌舞伎に軍配があがると思います。私は、まず歌舞伎につれていきます。歌舞伎座はある意味、観光地でもありますから。それも大顔合わせ、これぞ歌舞伎みたいな演目で、玉三郎さんとか、勘三郎さんとか、團十郎、吉右衛門といった有名な人がでているときに誘います。やっぱり、どこかに接点がないと興味がでない。そこでの反応をみつつ、文楽に興味を示した人を文楽に誘います。こういうところがおもしろかったというのを聞いて、好みを知り、こういうのがあるよと誘う。
 一度は見たい人は文楽だって多いけれど、連れて行って、つまらなそうにされているのを見るのはこちらが苦痛。自分が好きだからといって、みんなが好きになるわけじゃない。まず、劇場にいくのが好きな人じゃないと無理。それに、こんなに見にいく人は、普通の人は引くと思う(苦笑)。これまで、ヅカ好きとか、四季好きとか、ジャニーズ好きとか、なぜか周りにいて、そのはまりっぷりに引いてた(笑)。なので、基本、正体は現さないし、こんなに見に行く人は身近にいるわけないと思っているので、このブログで好きなことを書いている。
 こんなに伝統芸能にはまるとも思っていなかったし、伝統芸能系ブログになる予定もなくはじめたブログですが、もしも、歌舞伎や文楽に興味があって、ここにたどりついて、脳内マッサージを受けたい人の何かのきっかけになるといいなぁとは思っております。自分がそうだったので。

 とりあえず、脳内マッサージを受けるには、今月の文楽公演3部がおすすめです。これは、茂木さんが最初に歌舞伎にはまった猿之助さんの四の切(河連法眼館の段)の文楽版(本家は文楽)。猿之助さんの狐は素晴らしいですよ、映像でしかみたことないけど。歌舞伎の大きな変革の流れをつくったのは猿之助さんだと思います。
 勘十郎さんの狐も、ほんと素晴らしい。ただ素直に脳内マッサージをうけましょう。そして、次に、血を吐くような太夫の語りを味わってほしい。そして、はまりましょう、おまちしてます(笑)。

中将姫 
2008.02.11.Mon / 22:07 
 本日、文楽公演1部、2部へ
 2部の中将姫がすばらしいっ!嶋大夫さんの語りが最高です。火の玉みたいな全力の語りに涙がでます。宗助さんも同じように全力で三味線を。ちょっと前は、嶋さんと清介さんのコンビがすきなのにーと愚痴ってましたが、もう愚痴はいいません。このコンビも大好きです。
 文雀さんの中将姫は、気高さ、気品があふれて、神々しいほど。これぞ中将姫さまです。
 責め苦が正視できないとかきいていたけれど、私は正視しまくり。責められても失わない気高さに一瞬たりとも目なんか離せません(嶋大夫さんをみたい気持ちに、ときおりかてなかったけれど・・・。)
 責める奴の悲しさも幸助さんと玉佳さんが十分に表現。よかったー。

 舞台はみてみなきゃわかりませんね。チケット追加したいけど、土日がもう売り切れなんですよね(涙)。平日の休みの予定はまだたたないし(←遊びすぎのため)。5列目の24番あたりから、今度は床を存分にみて聴きたいよー。
お人形 
2008.02.11.Mon / 08:57 
 毎日の記事(1/19)より 

more楽:文楽の人形遣い 3人でイキ合わせ   
 人形浄瑠璃「文楽」は大夫の語りと三味線の演奏に合わせて、人形が芝居をする。これまで大夫、三味線を紹介してきたので、今回は人形に登場してもらった。【宮辻政夫】

 文楽の人形は3人で1体を遣う。世界でもほとんど例がない。シン(リーダー)になる主遣(おもつか)いは首(かしら)と右手、左遣いは左手、足遣いは足を、それぞれ遣う。3人のイキが合わないと、人形は動けない。主遣いは舞台げたをはく。人形の位置を高くして、足遣いが操作しやすくするためだ。げたの高さも役により違い、最高は50センチ以上にもなる。吉田簑助さん(人間国宝)は 「3人のイキが合っているところを見てほしい」と語る。

 人形遣いの修業は足から始まる。足遣いは体をかがめて足を持つ。じっと動かない役の足を持っているのがつらい。足遣いの間に、いろいろな役の性根や動きを覚えておかなければならない。

 足が遣えるようになると、左遣いに昇格する。左遣いは、左手を使うほか、小道具の出し入れなども担当する。芝居全体や役について、一通りの知識を持っていなければならない。

 修業期間は足10年、左10年と言われる。徐々に主遣いも経験してゆく。主遣いは左手で人形の首を持つ=同<中>。首の下の胴串(どぐし)と呼ばれる心棒を握る。吉田文雀さん(人間国宝)は 「人形の目線が生きているかどうか。左目を人形の首につけています」と話す。

 しかも、この左手一本で人形の全重量を支えている。比較的軽い娘の人形でも衣装を着ると約3キロはあり、よろいをつけた武将の人形や大きなマゲを結った傾城(けいせい)(最上位の遊女)だと約10キロにも。それらを芝居の間、左手だけで支え続ける。さらに感情表現が難しい。 「自分を忘れて、役の気持ちになっています」 (簑助さん)

 首には目、まゆ、口が動く仕掛けもある。首の下には胴と呼ばれる布の部分があり、手や足は肩からつるされている。撮影のとき、左を持ってくれた桐竹勘十郎さんは 「主遣いがどういう芝居をしようとしているのかを、足遣いや左遣いは心得ていないと」。吉田玉女さんも同意見で「形がよくても、いい左か足かは分かりません」。女形の人形には足がなく、足遣いは着物のすそを内側から持って、足が動いているように見せる。

 文楽を初めて見る人へのアドバイスは? 「お芝居やから、楽しんでもらえれば。5分前にでも、ちょっと粗筋を読んでおいた方が理解しやすいと思います」(吉田和生さん)


 お人形の目線が動くほんのちょっと前に簔助さんの視線が動くのが好き。ジュリーテイモアのいう「ダブルイベント」を楽しんでみています。
 冷静なのか、いまいち冷めているのか、棒立ち系の左遣いさんがいや。あんまりばたばた動く左遣いさんもいや。その左手違うんとちゃう?とか実は公演中に心の中でつっこんでいます。
 狐忠信の足はすばらしいと思う。リズム感が踊りにあっている。人間はあんな風に足をあげては踊れない。でも踊りにみえる。嘘を真にみせている。
 左や足が誰だか知りたい、小割帳を盗み見したい。でも、最近はわからなくてもいいかなと思っている。左や足がいいも悪いも主遣い次第だと聞いたから。
 初日あたりにみて、うーん?と思ったお人形が、楽近くに生き生きしているのをみると、芝居って変わるんだなと思う。

 和生さんのアドバイスに賛成です。ブザーが鳴ったら読みましょう(笑)。