時さまの後姿が美しい。歌舞伎の女形の袖の使い方がすばらしいなぁとひたすら感心。
柱巻きも袖も、八重垣姫の恋心を切々と謳いあげる手法なんですね。
橋之助さんの勝頼が見た目がとっても美しくて、おおっ歌舞伎おそるべしと出の瞬間は思ったんですが、その後、固いなぁと思ってしまった。憂う貴公子であってほしいの。二人の女の思いと、身代わりとなった簔作と、武田家を担う重責・・・。八重垣姫の猛アピールにぐらって感じがしなかったんだなぁー。冷たい感じ・・・、姫の思いが浮いてしまう。
濡衣@秀太郎さんは、衣装が非常に好みで素敵なんですけど、簔作への思いの複雑さよりも、取り持ち役にみえすぎてしまったかな。
熊 野
いやー、衣装が素晴らしい。もちろん熊野の。初回は衣装ばっーかりみてしまった。見る前は、織機までつくっちゃったあの衣装ねーなんて思っていたけど、見終わったら、織機つくっても、あれだけ素晴らしいものができるならいいじゃない!
最初は、お母さん病気なんだから返してあげなよーと思っておりましたが、ひきとめたくなる熊野@玉三郎さんの美しさ、その我儘さえも許したくなる宗盛@仁左衛門さんの美しさに、二人のツーショットが美しくて、いいのよ、これはこれで、うんうんとうなづいておりました。
刺青奇偶
熊野の後にわざともってきた?
最近は、どちらかというと、きちゃない役、でも人情味のある役が好きなので、これを一番楽しみにしてました。最初のすれっからしで自暴自棄なお仲がよろしかったですねー。それを表現していた最初の登場のあの後姿。素敵でございました。
亀蔵さんもまた裸もみせて、大活躍(笑)。
一番は、鮫の政五郎@仁左衛門さん。かっこいいー。「賭けろっ、その命」。しびれるっー!ヤクザの親分はああでいてほしい。
半太郎、この親分についていった方がいいんでない?と思ってしまったくらい。
おもしろかったんですけど、最後、ああまでしてやめてくれという博打で稼いだ金で、部屋をかざりたてても、病気の女房は喜ばないよという理性が勝ってしまって、なんか気持ちが宙ぶらりん。それくらい、半太郎が追い詰められていたということだろうし、そういう風にしかできない弱さというか人間の切なさはわかるけれど。それより、そばにいてほしいと思うのは、私が女だからなんでしょうか?結構、気持ちはおっさんなんですけどね・・・。
将軍江戸を去る
語ることができない。なぜなら、起きたら、将軍は江戸を去ってしまっていたから・・・
勧進帳
盛り上がった勧進帳でしたね。富樫登場でわぁー、義経登場でわぁー、弁慶登場でおおっー。富樫と弁慶が対峙したときは、うおぉぉーーー!歌舞伎役者の「華」というのを感じました。舞台に登場するだけでうきうきする、その演目が勧進帳なら尚更。ザ歌舞伎でした。
でも、見終わってみると不思議な感覚。1+1+1はそのまま3だったよう。勧進帳では、弁慶と富樫の義経が織りなす模様がどうなるのか、特に、弁慶と富樫の対決がどうなるのか、それぞれの役者の思いがぶつかってどんなエネルギーを生み出すのかが楽しみだったんですが、それぞれはそれぞれの大きさがあったけど、融合して核爆発というようなことはなかった感じ。この三人なら、どんな大きさになるんだろうという期待が強すぎたのか、それとも、勧進帳そのものがもつ大きさゆえなのか。
浮かれ心中
きっと原作をしっていれば、もっと二人のエネルギーがいかに作品を世に送り出すことに向かったかがわかるんでしょうが、私には理解できず。どんどんひいていく自分がおりました。
うとうとしかけたそんな私に、時さまのドスのきいた声が。うわぁーん、見逃しちゃったよ、その瞬間。白無垢姿とのギャップを存分に表現する時蔵さんと、おもいっきり転がる梅枝くん親子が大好きです。
一、本朝廿四孝 十種香
八重垣姫 時 蔵
武田勝頼 橋之助
白須賀六郎 錦之助
原小文治 團 蔵
腰元濡衣 秀太郎
長尾謙信 我 當
二、熊野(ゆや)
熊野 玉三郎
従者 錦之助
朝顔 七之助
平宗盛 仁左衛門
三、刺青奇偶(いれずみちょうはん)
半太郎 勘三郎
お仲 玉三郎
荒木田の熊介 亀 蔵
赤っぱ猪太郎 錦 吾
太郎吉 高麗蔵
鮫の政五郎 仁左衛門
夜の部
一、将軍江戸を去る
徳川慶喜 三津五郎
高橋伊勢守 彌十郎
宇佐見常三郎 巳之助
間宮金八郎 宗之助
天野八郎 亀 蔵
山岡鉄太郎 橋之助
二、歌舞伎十八番の内 勧進帳
武蔵坊弁慶 仁左衛門
富樫左衛門 勘三郎
亀井六郎 友右衛門
片岡八郎 権十郎
駿河次郎 高麗蔵
常陸坊海尊 團 蔵
源義経 玉三郎
三、浮かれ心中 中村勘三郎ちゅう乗り相勤め申し候
栄次郎 勘三郎
おすず 時 蔵
大工清六 橋之助
三浦屋帚木 七之助
お琴 梅 枝
番頭吾平 亀 蔵
佐野準之助 彌十郎
太助 三津五郎
伊勢屋太右衛門 彦三郎


