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5月文楽公演 第2部 
2008.05.11.Sun / 22:45 
 今日は第2部へ

 心中宵庚申

 二人の苦悩はわかるが、いまだに、千代が母から離縁される理由がわからない私。
 しかし、今日の道行にはまいってしまった。もう筋なんてどうでもいい。津駒さんと英さんの高音美声による道行、三味線の響き、簔助さんと勘十郎さんの遣う人形の美しさ。びっくりして、息ができないくらいでした。固唾をのむってこういうこと?死に絶えた千代の表情が美しくて、切なくて、曽根崎にもひけをとらない美しさ。すばらしゅうございました。

・上田村から、簔助さんの千代の繊細な遣いぶりに目が釘付け、勘十郎さんの半兵衛の苦悩もよく・みえて、豪華メンバーをそろえてのさすがの一幕でした。大満足。 
・正直、2部の心中宵庚申に集めすぎよと思ったが、その後、簔助・文雀・紋寿・勘十郎・住大夫とそろっているのをみて、すごいよ、勢揃いだよと静かに興奮していた。
・特に、姉おかる@文雀さんと、妹千代@簔助さんが、肩を寄せ合いうなだれているのをみていたら、二人の姉妹の思いやりがしみじみ伝わって時間がとまっているかと思ったよ。ああ、お二人が一緒だ、これを見られてしあわせだとしみじみ思った。
・最初の下女軍団、出遣いにしてほしかった。会話がきこえそうで好きなの。

・最近、意地悪婆といえば、嶋大夫さんの語りに紋豊さんのお人形だが、なんだか、憎めないのよね。チャーミングなの。いやらしさがない。ずるいよ。
・伊右衛門@玉輝さんがなんとか婆を連れ出そうとするときの手がエッチ(ふふふ、玉輝さんやるなぁ〜♪)。
・西念坊@勘緑さんはもっとなにかやらかしそうだが、そんなにやらかさないのでさみしい。
・丁稚松@玉勢さんが戸を閉めるところは最高だ。足がうまい。


 狐と笛吹き

・歌舞伎でみたときは、のけぞった作品だったので、なんであれをまた・・・と思っていたので、おそるおそるの観劇だった。
・問題がないとはいわないが、まず、床、三味線の音が美しい。ああ、文楽って音楽劇なのよねと再認識。北条作品は口語なので、歌舞伎座だともうこそばゆくてこそばゆくてたまらないが、なんのなんの台詞をのぞけばしっかり浄瑠璃(に聞こえる)。
・人形は、玉女さんも、和生さんも、よく動かして綺麗。特に、玉女さんの遣いぶりがよかったなぁ。のびのびやっている感じがした。個人的にはどうも好かない春方を3割方いい男にした気がする。
・ともねのかしらは、中将姫でもキャスティングされたかしらかな?上品でかわいらしい。平安時代の衣装がにあってかわえぇ。
・途中、いくつかの場面で笑いがおきていた。あまりに直接的な感情の吐露に思わず苦笑してしまうのはわかる。しかし、笑うところではないと思う。「嫌いっ、嫌いっ」のところなど、ともねが嫉妬に苦しんでいるところだ。とはいえ、笑ってしまうのもわかる。ともねと春方の気持ちの動きが描かれてないから。ともねがきました。世話をするようになりました。春方のことが好きになってしまいました。でも春方はともねをちゃんとみてくれません。嫌い、嫌いでは唐突すぎるんだと思う。またそこがしっかり口語で聞こえるから余計なんだろうな。
・北条作品は、一時期、歌舞伎も含めて、とても新鮮ではやったと聞く。でも、今の時代にあっているんだろうか。狐と笛吹きは、メルヘンなのか、恋物語なのか、清六さんの三味線をきかせる音楽なのか、どれだったんだろうという疑問が残る。
・しかし、すごく期待をもったのだ。文楽も新作いけるんじゃない?と。最大のネックだと思われる浄瑠璃が、こういう作品でもいけるなら、原作さえ選べばできるんじゃないかと。最近歌舞伎をみていると、これ文楽でもいけるんじゃないかなと思うものがある。四谷怪談なんて、仮名手本忠臣蔵とセット上演されたんだからどうかなと思う。早替わりは得意よ、人形は(笑)。黙阿弥は七五調と浄瑠璃が喧嘩しそうだし、大夫もいまさら、月も朧に〜とはいいたくないかもしれないが、南北ならどうかな〜。それとも過去に演じられたことあるのかな。桜姫東文章なんかも文楽似合いそうなんだけどな。三囲を景事にしてさぁ。別に歌舞伎からじゃなくてもいいんだけど。
・思い切って、12月の文楽公演を、復活新作ものの上演にしてはどうかな。毎年かけるくらいじゃないとだめだと思う、復活とか新作は。10本やって1本残ればいいと思う。前にも書いたけれど、私はもう文楽にはまったので、このまま古典をやり続けてもらってもいいんです。正直、古典芸能の伝承にのみ特化してくれてもかまわない。でも、演じる人たちやつくる人たちがそれじゃだめだと思うなら、もっと貪欲にやってほしい。
・実のところ、清治さんの三味線の切れ味というのを、今日はじめて知った気がする。いままでは耳には響いていたが、心に響いていたかといわれれば違ったと思う。師匠清六さんの作曲だからなのか、ほぼ新作といわれる作品への思い入れなのか。清治さん、どうぞ作曲をしてください。国立劇場や文楽協会もどんどん新曲を依頼してほしい。清治さんの曲を、歌舞伎座でなく、国立劇場でききたいです。

心中宵庚申
  上田村の段      住大夫   錦 糸
  八百屋の段   切 嶋大夫   宗 助
  道行思ひの短夜   お千代  津駒大夫    清 友
               半兵衛  英大夫      団 吾
                      文字栄大夫   清 馗
                      希大夫     清 丈
                               寛太郎
  下女お菊       簑紫郎
  下女お竹       紋 吉
  下女お鍋       玉翔(前半) 玉誉(後半)
  姉おかる        文 雀
  駕籠屋         簑 次
  駕籠屋         玉若(前半) 勘次郎(後半)
  女房お千代      簑 助
  百姓金蔵       文 司
  島田平右衛門    紋 寿
  八百屋半兵衛    勘十郎
  丁稚松         玉 勢
  伊右衛門女房    紋 豊
  下女さん        紋 秀
  甥太兵衛        紋 臣
  西念坊         勘 緑
  八百屋伊右衛門   玉 輝
  庚申参り        清三郎
  庚申参り        一 輔

狐と笛吹き

   ともね       和 生
   春方        玉 女
   ともねの母    簑二郎
   秀人        文 哉

その一 春のおぼろ    文字久大夫    清 介
                咲甫大夫      清志郎
                睦大夫       清 丈
                芳穂大夫      龍 爾
                呂茂大夫  

その二 夏の月夜    呂勢大夫 清 治
その三 秋の落葉    
   
その四 冬の寒灯    文字久大夫     清 介
その五 雪の深山    咲甫大夫       清志郎
その六 雪の湖      相子大夫       清 馗
               つばさ大夫      寛太郎
               靖大夫        清公(胡弓)
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--難しい問題--

どうも新作には馴染めないので、「狐と笛吹き」にも
あまり期待していません。今に残る義太夫節の名作が
ほとんど十八世紀までに出尽くしてしまっているのを
思うと、いかに新しい作品を成功させるのが困難で
あるのかという事を考えずにはいられません。でも、
このままですと、ごく限られた作品の上演のみになっ
てしまうような気がしますし、ここは古典の復曲で演目
を広げつつ、浄瑠璃作者を育てる土壌作りを進める
のが大切なのではないかと思っています。

- from やなぎ -

--難しいですねぇ〜--

>やなぎさん
浄瑠璃作者はでてくるんでしょうか・・・。
私は優秀な改作者を望みます。もしくは演出者。
古典は新作といっても、実際には復活なんでしょうね。
あとは、復曲の床こそ、当代一の浄瑠璃語りが必要だと思います。
今回は清治さんがその役を担った。清治さん、歌舞伎の新作ものでは作曲者として名前を拝見するけど、本拠地の文楽公演でその名前をみない、是非、復曲・作曲をもっとして聴かせてほしい。
ただ、「狐と笛吹き」は2年前の歌舞伎公演をみた人なら、なんでこれを・・・と思ったであろう作品で、悪いけど今回の作品をもって、「文楽の新作」を評価しちゃいけないような。もう何作かみせてくれないと取り組みを評価できない気がします。
ただ、気になるのは、なんで北条作品だったのか。口語でわかりやすいのが要因なら、やめてほしい。文楽や伝統芸能が難しいのはしょうがないと思う、むしろそれが魅力。理解を助けることは必要でも、万民にうける必要はない。私は、新しいもの(新作でも復曲でも新演出でも)も作り上げていくことが、伝統を守ることにつながると思うので、がんばって取り組んでほしいです。

- from まこ -

--そうなんですね!--

予習をしていなかったので、なぜこの話を文楽でやるのだろうって不思議でした。
一生懸命の演者さんには悪いのですが、相当な、なんじゃこりゃ〜と顔が引いてたと思います。

一時期はやったシドニーシェルダンの「超訳」みたいに物語を浄瑠璃に昇華してくれる人がいるといいなぁなんて思います。

- from おりん -

--そうかどうかはわかりません(笑)--

>おりんさん
「狐と笛吹き」、歌舞伎でみたとき全然だめで、なんでまたこれをと思っていましたが、文楽の方がまだ生々しくなくて音楽劇として楽しめました。
歌舞伎の新作ものとか復活ものでは、もっとひいてしまうものありますから、結構慣れっこ(苦笑)。このところ歌舞伎はとても新作復活ものが多くて、歌舞伎らしさは少なくても、ああ、現代にも生き続けている演劇なんだなと思うし、なにより役者たちが楽しそうなので、やっぱり楽しみなんです。
なるべく冷静に、なんでこの作品なんだろうと思いながらみていたんですけど、「口語」なのかなと。たしか、歌舞伎では源氏物語の口語と、当時の海老様の源氏で北条作品は大ヒットしたと記憶していたので。
「嫌いっ」でのけぞって笑っている人たちをみて、じゃあ「そりゃ胴欲な」なら笑う?とききたかったかも。歌舞伎でも、どうしてここで笑うかな?と思うことが多いけど、それって、詞をストレートにとりすぎなのではと思うので、口語だとさらにストレートすぎでつい笑ってしまうのかと。実のところはわからないんですけどね・・・。ほんの何作かの取り組みだけで判断したくないので、私は新作復活ものは見続けたい。
なにより、作曲:鶴澤清治さんの名前を歌舞伎座でなく文楽の劇場でみたいです(涙)。

- from まこ -

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